「わたし、行動できない性格なんです〜」
そんな言葉を耳にしたとき、「え?性格のせいって、それだけで決めちゃっていいのかな?」って、ふとひっかかったんです。
今回はそんな気づきから、「行動できない=性格」という考え方についてちょっと立ち止まって、いろんな角度から見つめてみたいと思います。
“行動できない”って、どんな状態?
「行動できない」って、一見シンプルな言葉だけど、いろんなパターンがありますよね。
- やりたい気持ちはあるけど、なかなか動けない(慎重すぎて動けない)
- 興味があるような気がするけど、本気でやりたいかは微妙
- 単純に、今は他のことのほうが大事で優先順位が低い
こうやって分解してみると、「行動できない」=「性格の問題」って、一言で片づけるにはちょっと乱暴かも?って思えてきませんか。
“性格”ってそもそも何だろう?
「性格だから…」って言葉、よく聞きますよね。
でも、性格ってそもそも何でしょう?
- 生まれ持った気質(たとえばHSPなど)
- 育つ過程で身につけた思考パターン(思考の癖)
- 周囲の人や環境から影響を受けた行動スタイル
つまり、性格って「完全に生まれつき」なわけではなく、後天的なものも混ざっていて、その後天的なものの中には意外と“柔軟に変えられるもの”もあるんです。
一括りにして「性格だから仕方ない」と思い込むことで、自分の可能性を狭めてしまうのは、ちょっともったいないなぁって思います。
慎重さや不安、完璧主義——それって“悪い性格”?
たとえば、「慎重だから動けない」とか「不安が強いから挑戦できない」とか。
こういう性質って、「行動できない性格」として見られがちだけど、裏返せばこんなふうにも言えるんです。
- 慎重だからこそ、物事を深く考えられる
- 不安があるからこそ、準備がしっかりできる
- 完璧を求める気持ちは、丁寧に取り組みたい想いの裏返し
つまり、“行動しない=悪”でもなければ、“性格=欠点”でもない。
それぞれの性質には、その人らしい価値がちゃんとあるんです。
Ronaの場合:慎重さとの付き合い方
わたし自身、慎重さとHSPの特性が強くて、「始める前にとにかくたくさん考えちゃう」タイプ。
そのせいで動けなくなったこともたくさんあります。
でも、「それが自分なんだ」と理解してからは、動けるようにするための工夫(=自分トリセツ)をつくりました。
- 思いつくデメリットに対して、同じだけのメリットに目を向けてみる
- 小さく始める
- 間違えても、あとから軌道修正すればいい
- 「今の自分で決断できる範囲」で考えればOK!
こうしたルールを用意しておくと、すこし気持ちが軽くなって、自然と動きやすくなります。
…とはいえ、「行動するのが正義!」って言いたいわけではありません。
わたしの場合は「できれば行動したい」という根っこがあるから、行動しやすくなる工夫をしているだけ。
逆に、「勢いで動きすぎちゃう」という人には、「止めるためのトリセツ」が必要かもしれないですよね。
また今のわたしでは想像ができませんが、「なるべく行動したくない」という価値観をもっている人であれば、これまた「行動しない」ためのトリセツが必要になるわけです。
大切なのは、自分の性格を「こうだからダメ」ではなく、「どう付き合っていく?」と考えることなのかもしれません。
「性格の反応」はスタート地点。大事なのはその先。
たとえば、何か新しいことに挑戦しようとしたとき。
わたしたちの心の中には、真っ先に「反応」する部分があります。
「やった方がいいのはわかるけど、失敗が怖い…」
「興味はあるけど、どう思われるかが気になる…」
「タイミング的に今じゃないかも…」
こういう最初の反応は、生まれ持った**性格や気質**によるものかもしれません。
HSPさんは特に、繊細なセンサーが働きやすいから、この“初動の反応”がとても自然で強く出やすいんですよね。
でも、その反応が出たあとにどうするか——
ここからが、“性格”とは別の部分、「意思」や「思考」の出番です。
いったん反応が起きたあとで…
- わたしは、どうしたいんだっけ?(価値観・ゴールの確認)
- 今のわたしにとって、どんなサポートがあれば進めそう?(環境や条件を見直す)
- この反応とどう付き合いながら、少しずつ前に進めるかな?(具体的な工夫)
こうやって、自分の内側で会話するように「扱い方」を選んでいく。
そしてそのサポートをしてくれるのが、**“自分トリセツ”**なんです。
自分の反応にダメ出しするのではなくて、
「うんうん、そう思うよね。でも、大丈夫だよ」って寄り添いながら、
反応から行動までの橋渡しをしてくれるのが、自分トリセツの役割だと思っています。
行動のハードルを下げる方法。行動を止めているのは“性格”じゃなく、“条件”かもしれない
行動できない理由は、本当に性格だけでしょうか?
- 時間が足りない
- 体力がない
- 情報が足りない
- 安心できる環境じゃない
こんな「条件」が揃っていないとき、人はなかなか動けないもの。
逆に言えば、条件が整えば、自然とスルッと動けることもあるんですよね。
じゃあ自分の場合、どうすればその条件が整うのか…。とにかく頑張ろう!行動しよう!じゃなくて、そこに意識を向けることが大事なのかなって思います。
自分に「性格ラベル」を貼らずに、今の自分を見てみよう
行動するかどうかは「意志+環境+準備+許し」みたいなもので変えられる領域なんだと思うんです。
むしろ、自分がどういうプロセスを経たら動けるのかを知ることが、本当の意味での“行動力”なのではないでしょうか。
「行動できないのは性格のせい」と思ってしまう人は、
一度こんなふうに問いかけてみてほしいです。
- 「なんで動けないのかな?」
- 「本当は、どうしたいのかな?」
- 「もし今より動きやすくなるとしたら、何が整えばいい?」
その問いに、やさしく、自分らしい言葉で答えてあげること。
それが、「性格」のせいにせず、自分の可能性を丁寧に育てていく第一歩になる気がしています。
おわりに
性格って、たしかにその人の「らしさ」を形づくる大事な要素。
でも、それは自分を縛るものではなく、「どう扱うか」は自分で選んでいいもの。
「性格だから仕方ない」と手放してしまう前に、
「わたしはどうしたい?どうしたらラクに進める?」という問いを、そっと置いてみませんか。
その先に、自分らしい答えがきっと見えてくるはずです。
おまけ:その後の小さな変化
実はこの記事を書いたあとも、少しだけ心の中にひっかかりが残っていて。
「やっぱりこれでよかったのかな?」と、何度か自分の中で問い直していました。
そんな中でふと気づいたのは、
「家族に納得してもらう。ゆっくり自分たちのペースで。」
「応援したい。価値も十分感じている。」
このふたつは、対立するものじゃなくて、別の問題なんだってこと。
どちらかをあきらめるんじゃなくて、ちょっと手間はかかるけれど、どちらの気持ちも大事にできる方法を探してみたら…ちゃんとあったんです。
「これが今の自分にとって、いちばん納得できる答えかな」と思える形が見えてきたので、今はそのやり方で進めてみることにしました。
もしまた違うなと感じたら、そのときに修正すればいい。
そんなふうに、自分の気持ちと対話しながら、柔らかく選んでいけたらいいなと思っています。
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「行動できないのは性格のせいじゃない」
そう思えても、どう整えたら行動できるようになるんだろう?次の記事では、わたしが実践している「もやもやを言葉にする方法」や、
内省を通じて自分を整えるプロセスをご紹介します。おまけに書いた内容も、この方法で自分を見つめることで出てきた答えです。
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